Essay/Column/Diary
人相の悪い車が増えてきた
近年の車のデザインを見ていると、目つきの悪い車がとても多くなり、大口を開けて威嚇するような車も増えてきた。
ここで、目つきとはヘッドライトであり、口はエアインテークを指している。
そもそも、吊り目の元祖はプジョー504だろう。以降、プジョーは吊り目をアイデンティティとしてきた。
時代の流れとして丸目から四角い目に変わった車のヘッドライだが、吊り目にすることで精悍さが表わされるので、多くの車がプジョーの後を追った。
その吊り目も競うように鋭くなり、目つきの悪い車まで現れ、中には、俺はワルだぞ、と言わんばかりの顔つきの車さえ現れている。
それに加えて、口を大きく開けるデザインも増えつつあり、ガオーッ!食いつくぞ!と、大口を開けている。
こうしたアクや押し出しの強いデザインは、時間が経つと、不思議と目が慣れるので最初の違和感は薄らぎ、そして、以前の優しい顔つきの車と比較すると存在感が圧倒的にあるので、優しい顔の、つまり以前の車の存在感を薄くすることにもなる。
よって、乗り換えを促す効果もあるのだろう。
しかし、しかしだ。
車は景色の一部だと思う。例えば、ロンドンでは、あの2階建てのバスにロンドンタクシーがあってのロンドンの街だ。加えて言うなら、以前はそこにオースチン・ミニやローバーそしてロールスが加わりロンドンらしさを、より強調していた。
街には多くの車が走る。いや、今や街だけではなく、あらゆるところに車は在る。
その車の人相が悪くなっていくのは如何なものだろう。
押し出しの強さに勝る、美しいデザインはあると思うのだが。


