Essay/Column/Diary
国本君、本当におめでとう
F3世界一決定戦とも呼ばれるマカオグランプリで、世界の強豪選手達を相手に、国本京佑選手が優勝を飾った。
マカオグランプリの優勝は日本人では佐藤琢磨選手に続いて2人目であり、日本から、また素晴らしいドライバーが誕生したことになる。
しかも、弱冠19才(マカオ優勝者最年少歴代2位)で、この大きなイベントを制したのである。
素晴らしい。
国本君、本当におめでとう。
(写真は日本F3協会ホームページより)
因みに、このコラムの最下部に今年のマカオグランプリレースの結果を載せたが、各選手の国籍の欄を見て頂くと、いかに世界中の選手が集まったイベントであるか解って頂けるだろう。
(写真は2003年、マンダリンコーナーで写したもの)
マカオグランプリは毎年11月に開催されるイベントで、1983年より国際格式であるF3によるレースとなった。
F3レースは世界各地で選手権シリーズが開催されているが、その各シリーズの上位選手のみを招聘して行われることからF3世界一決定戦とも呼ばれ、事実、第1回の優勝者はアイルトン・セナであり、その後、よく知るところでは、ミハエルシューマッハやデビット・クルサード、ラルフ・シューマッハ、あるいは前述の佐藤琢磨選手などがいて、つまり、ここで優勝した選手はF1関係者の目に止まることが多い。従って、レースでは世界の若手有力選手達が人生を賭けた戦いを見せることになる。
コースは市街地を4日間だけ閉鎖して行われるので事前の練習は誰も出来ない。そして、コースサイドはエスケープゾーンが無く、ガードレールかコンクリートウオールで、つまり、ミスをすると即クラッシュであり、それは、時にはコースを塞ぐ形にもなるので多重クラッシュに繋がるが、そんなことが毎レース発生する危険極まりないコースでもある。
(写真はオートスポーツ誌を撮影、先頭が国本選手である)
国本選手がマカオグランプリで優勝したことは、日本のレース界にとって大きなニュースであり、F3関係者として、とても喜ばしい出来事である。
日本のF3選手権のレベルが世界的にもトップレベルあることを知らしめてくれたし、何より、日本の若手ドライバーのレベルが世界的にもトップクラスにまで上がってきたことを証明してくれたのである。
因みに、昨年も2位に塚越広大選手、3位に大嶋和也選手が入り、このところ日本人選手の活躍はめざましいものがある。
また、国本選手は私がアドバイザーを務めているFCJレースの昨年度のチャンピオンであり、私は彼の運転を肉眼でもデータロガー上でも、よく知っている。
国本君はひと言で言うならば、本当によく頑張る。もともと速いドライバーであるが、車のコントロール能力が素晴らしく高い。
そして、悪い状況に陥った時にも精神的にネガティブにはならず、あの優しい顔から想像出来ぬ強さを発揮して難局を乗り越える力を発揮する。
今年はF3にステップアップした初年度であり、当初はなかなか優勝出来ずに苦労したのではと思うが、4戦目の優勝からリズムを掴み、終盤戦の2勝を含み、最後にはちゃんとシリーズランキング2位まで上がってマカオ参戦の権利を掴んだ。
それにしても、まさかマカオグランプリで優勝するとは思っていなかった。
大したものである。
「最近の若いモンは」という大昔からの常套句を使うとすれば、
それに続く言葉は、
「大したもんだ」
である。
■2008マカオグランプリ結果表
POS DRIVER 国籍 TEAM ENGINE TIME/LAPS
1 国本 京佑 日本 Tom’s Team Toyota Tom’s 41'01,864
2 Edoardo Mortara ITA Signature Plus VW-Spiess 41'03,574
3 Brendon Hartley NZL Carlin Motorsport Mercedes-HWA 41'05,870
4 Mika Maki FIN Signature Plus VW-Spiess 41'10,306
5 Renger vd Zande NED Prema Power Mercedes-HWA 41'12,140
6 Laurens Vanthoor BEL RC Motorsport VW-Spiess 41'14,839
7 Oliver Turvey GBR Carlin Motorsport Mercedes-HWA 41'14,998
8 Walter Grubmuller AUT Hitech Racing Mercedes-HWA 41'16,559
9 Jules Bianchi FRA ART Grand Prix Mercedes-HWA 41'20,589
10 Jaime Alguersuari ESP Carlin Motorsport Mercedes-HWA 41'22,665
11 Jon Lancaster GBR Manor Motorsport Mercedes-HWA 41'22,762
12 James Jakes GBR ART Grand Prix Mercedes-HWA 41'23,282
13 Cheng Cong Fu CHN Signature Plus VW-Spiess 41'24,268
14 Max Chilton GBR Hitech Racing Mercedes-HWA 41'24,468
15 Kei Cozzolino ITA NOW Motorsport Toyota Tom’s 41'25,134
16 大嶋 和也 日本 Manor Motorsport Mercedes-HWA 41'25,794
17 Daniel Campos-Hull ESP HBR Motorsport Mercedes-HWA 41'26,861
18 Atte Mustonen FIN Raikkonen-R R Mercedes-HWA 41'35,608
19 Nicola de Marco ITA RC Motorsport VW-Spiess 41'48,391
20 Michael Ho MAC Raikkonen-R R Mercedes-HWA 41'53,603
Not Classified (非完走)
Stefano Coletti ITA Prema Powerteam Mercedes-HWA
Basil Shaaban LEB HBR Motorsport Mercedes-HWA
Carlo van Dam NED Tom’s Team Toyota Tom’s
Roberto Merhi ESP Hitech Racing Mercedes-HWA
松下 昌揮 日本 PTRS by Ombra Honda-Mugen NB
James Winslow GBR Ombra Racing Honda-Mugen NB
嵯峨宏紀 日本 Le Beausset Motorsports Toyota Tom’s
Marcus Ericsson SWE Carlin Motorsport Mercedes-HWA
Roberto Streit BRA Raikkonen-R R Mercedes-HWA
Sam Bird GBR Manor Motorsport Mercedes-HWA


