Essay/Column/Diary

・500・300・700

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500系.jpg

この、500、300、700という数字、鉄道に興味のある人なら新幹線の機種だとピンとくるだろう、そして、順番がおかしいとも。
地方(三重県鈴鹿市)に住んでいる関係で、東京や横浜で行われる会合等に出席する為に、平均的に月に1度くらい出掛けるのだが、ただ、年末が近づいてくると、その回数も増えて毎週とか、時には週に2回も行くことになる。
そこで、たまには新幹線の話でもしてみようか、と思う。
(写真は500系、鉄道ジャーナル誌を撮影)

南紀オリジナル.jpg

鈴鹿から名古屋に向かうには、常識的には近鉄を使うのだが、私は伊勢鉄道の鈴鹿駅からJRの特急「ワイドビュー南紀」を利用する。(写真は鈴鹿駅に於ける南紀)
因みに私の場合、鈴鹿駅までは家から車で10分、そして駅には無料駐車場が完備されているので真に都合が良い。
特急南紀は日に4本しか無い列車だが、たまたま時間的にドンピシャリの列車があり、会議は大体昼頃に集合するパターンが多いので、この南紀から新幹線に乗り換えて行くと丁度良い時間に到着する。
昨年までは、その乗り換えに合った新幹線が9時47分発で車両は500系であった。
その500系とは、世界最初の300km/hの営業運転を行うために開発されたJR西日本気鋭の車両で、高速化に伴う新しい技術開発がなされたエポックメーキングな車両である。冒頭の写真のように、外観は円筒形の車体を持ち、デザイン的にもカッコ良く、インパクトが強いので多くの人がカメラを向ける姿をよく見られた。

500系車内補正.jpg

しかし、実は私には嫌いな車両だった。
理由はいくつかあるが、主に乗客の立場からすると、車内の出来が良くない。まず、円形断面を採用したことで写真でも判ると思うが、室内空間が狭く圧迫感を感じる。そして、デザイン的に壁や椅子の色に茶/紫系という暗い色を採用した為に狭さを強調してしまい、照明の暗さと共に、暗く狭い印象の車内となってしまっている。
窓側の席では窓下の棚が人に当たる部分を切り欠かかず、直線状の棚とした為に肩に当ってしまい、長時間の移動では違和感が強い。
何故か乗り心地も今ひとつ良くなくて、のぞみのカーブ通過速度の高速化により発生する横Gで、少し気分が悪くなったりもした。
今年の3月にダイヤ改正を迎えた訳だが、同時に500系が全て引退することになり、多くの鉄道ファンからは惜しまれつつ無くなることになった。しかしアマノジャクな私にとっては嫌いな500系が無くなることの方が有難かった。
3月時点では既にN700系も増えてきており、件の9時47分発は博多発東京行きの、新幹線では言わば優等列車であり、これで最新鋭のN700に替わるだろうと思った。

300系.jpg

で、ダイヤ改正後、9時47分発を待っていた。すると、あれれ、300系が入ってきてしまったではないか、つまり500系より古い機種になってしまったのだ。
まあ、300系は500系よりは車内も広いし明るくて良いけれど、700系やN700系と比べると天井が低くて内装は安っぽく、椅子も薄くて座り心地もいまいちである。
また、鉄道車両の乗り心地のネックは、車輪の舵行動から発生する車体の横揺れがあるが、500系以降に採用された車体間ダンパーが無いので、横揺れがあり、特に牧の原のトンネル内では大きく左右に揺さぶられる。いや、何故か上りの牧の原トンネル内は700系でも多少横揺れが発生する不思議な場所ではある。
9時47分発を後日、時刻表で調べてみると、出発時間は同じではあるが、博多発の列車ではなく大阪発の列車に切り替わっており、手軽な?300系となっていた模様である。
最近では、その9時47分発の列車も300系から700系に切り替わったが、私は既に、この時間に拘らなくなったので、あまり関係無くなった。
というのも、ダイヤ改正以降「のぞみ」の本数が増発されて、それこそ通勤電車のように10分も待たずに設定されているので、1本後の9時53分発のN700系の列車(博多発、つまり以前の47分発のぞみ4号)を利用している。

N700系東京駅.jpg

ついでにN700系の評価も簡単にすると、乗り心地はより改善されている。台車の技術が進化したのか、車両間ダンパーが有効に働いているのか不明だが、車体の横揺れは格段に小さくなっていて、車内で書き物をする時などとても助かる。また、すれ違い時の横揺れショックも小さくなり、もう殆どすれ違いが気にならないレベルにまでなった。

N700車内_1補正.jpg

車内は車体断面が四角くて大きいので車内空間が広く、JR東海らしい白い壁や青いシートも、多少安っぽいが清潔感に溢れている。(嫌ならグリーンに行け、てか)
電光のインフォメーション文字が大きくなり、離れた席からもよく見えるようになった。各表示の文字やマークも、とても大きくなっていて、全体にちょっとオモチャ臭いが、しかし公共性の高い鉄道車両としては明快なのがよい。

N700_3.jpg

特に照明は上手くやったと思う。グラデーションな光から、一見、間接照明にも見えるが、よく見ると、ただの蛍光灯による直接照明だ。カバーの湾曲がミソで、穏やかな間接照明に見え、とにかく明るくて美しい。
カーブ走行時の1度の車体傾斜装置は、あまり効果を感じない。今も横Gを感じるし、ある時、遅れを取り戻すのに飛ばしていた時には、かなり横に持っていかれた。
アクティブな強制傾斜装置だし(パッシブは初期の自然振り子式傾斜装置)、車酔いの心配も少ないので、もう少し傾けても良さそうなものだ。

さて、前述のように、新幹線は時間帯によっては数分おきに「のぞみ」がバンバン走っている。それも16両編成で指定席が殆ど埋まった状態で、である。

最近は、どこに行っても話は景気の悪さから始まる。
そんな中、新幹線に乗る度に「不景気知らずは新幹線ばかりなり」と思ってしまうのである。

Profile

☆畑川 治 1947年生まれ
レースアドバイザー
趣味: 運転、旅行、鉄道、その他

このブログ記事について

このページは、Osamu Hatagawaが2008年11月29日 10:30に書いたブログ記事です。

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