Essay/Column/Diary

一寸、ホッとした話

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ワンセグ鳩山.jpg

先日も会議で東京に行ったのだが、その帰り道でのこと。
品川発17時前の「のぞみ」に乗ったが、この時間、いつもなら出張帰りの会社員とおぼしき人達で一杯なのに驚くほど空いていた。3人席の窓側だったが横には誰も来ないし、前後の席には誰も居ないほどで、よく見ると3人側には数えるほどしか乗っていない。
いつぞやの、このコラムで「不景気知らずは新幹線ばかりなり」と書いたが、そんなことは無かった。
百年に一度とも言われる、この不景気の影響が確実に出ているのだろう。
となると、この3月のダイヤ改正で「のぞみ」増発と言ってるけど、逆なんじゃないの、などと余計な心配をしながら名古屋で新幹線を降りた。
そして鈴鹿に向かう為、関西線のホームに向かった。

鈴鹿までは特急「南紀」に乗る。
自由席は最後尾の車両なので、その乗車の列に並ぶが、やはりここでも、これまでよりも列は短く、閑散としている。
名古屋駅は風が寒いところだが、その冷い風を受けつつ、冷え込んだ景気まで肌に伝わる感じがした。
やがて「南紀」が入線して来た。私は列のほぼ最後尾だったが、乗車していくと前の席から座っていく為、後ろの方はガラガラだった。
私は、その一番後ろの席をとった。

DSC06214南紀.JPG

その席は、今は最後尾だが逆方向に走るときは当然先頭になり、(写真は前向き)前方の眺望を楽しめるように運転台とはガラス一枚で仕切られている。乗降のデッキスペースが無いので南紀州地方の美しい海岸線を見られるようになっている。
しかし、今は最後尾なので、その運転席(乗務員室)には車掌さんが居る。
鈴鹿までは約40分。長時間の会議で少々疲れたが、鈴鹿までもう少しだ。
最近買った携帯電話で初めてワンセグテレビを見るようになり、特に名古屋から鈴鹿の間はかなり良く映るので、今回はイヤホンを忘れずに持ってきた。
テレビを見ていると時間が経つのはとても早い。
やがて、「まもなく鈴鹿に到着します」と車内放送が流れた、というか、すぐガラスの後ろで言っている。
私は網棚からコートをとり、羽織りはじめると、ガラガラと乗務員室のドアが開き、車掌さんが私の所に来た。
そして、
「イッタイレーですか?」
と私に言った。
「ええっ?」
私には意味が解らない。
“1タイ0とは? 今、乗ってきた新幹線の、のぞみ何号だったかとか聞いているのか? いや違う、何だろう?”
すると車掌士はもう一度、
「1対0ですか」
と言い、その後に、
「WBC!」
と、半笑いで言った。
“ああ、何だ、そのことか”
実は、ワンセグで見ていたのはWBCの野球中継で、それが乗務員室からも見えていたのだろう。そして、韓国対日本が1対0で負けている最中だったのだ。
「ああ、1対0のままです」
と、負けてる日本を気遣い、私は苦笑いで答えた。

ワンセグWBC.jpg


興味の対象を同じくすることで、車掌、乗客という垣根を少し越えたような、
何か、少しホッとした気持ちになった。

Profile

☆畑川 治 1947年生まれ
レースアドバイザー
趣味: 運転、旅行、鉄道、その他

このブログ記事について

このページは、Osamu Hatagawaが2009年3月11日 00:02に書いたブログ記事です。

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