Essay/Column/Diary

GMの破綻と鉄道

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グレンドラ踏切トリミング.jpg

ついにGMが破綻した。
きっと、オバマ政権も1月だったか、追加支援の話が出た時から破綻へのシナリオ作りをしてきたのだろうと思う。
ま、政治には詳しくないので、その辺りの話はそれくらいにして。
それで、このタイトルの写真だが、はたしてGMと、どう関係があるのか?
見えている車にGM車は無さそうだし、乗っている車はフォードのレンタカーだ。
因みに、写真はロサンジェルス北東部のコビーナという町の近くの踏切を渡ろうとしている写真である。
加えて言うと、この通りの左隣には、並行して昔のテレビ映画で有名なルート66が走る。

ハマー.jpg

さて、これまでのGMの経営というか、やり方はとても嫌な感じだった。
というのも、本来、自動車メーカーは技術を売るものと思うのだが、GMは良い車を作って売るというよりも、他の会社を買っては儲けを増やすというやり方であり、元々が買収を繰り返して世界一となったGMだから、そうした感覚を持ち続けてきたのだろう。
しかし、近年、自動車販売が行き詰ってくると、今度は自動車ローンを証券化して売るというサブプライムローンの自動車版で泡のような利益を稼ぎ出し(収入の低い人にも簡単にローンを組ませたので、結局、差し押さえられた車は全米で190万台にもなる)、あげくは、車では利益が低いので住宅の販売、そう、まさにあのサブプライローンで家を売って稼いでいたのだ。
そして、バブルは崩壊した。
とまあ、こうしたGMの経緯はNHKで放映されて多くの人の知るところである。

で、元に戻って、写真の関連の話になる。
実は、GMは自動車会社の買収だけではなく、同じ自動車関連の企業(石油会社、タイヤ会社等)と作ったNCLという会社により全米各地の路面電車の会社を買収していて、それは45都市100以上の電気鉄道に及んでいた。
そして、怪しいのは、それらの路面電車網は次々と廃止され、バス運送へと置き換えられていったのである。
そうした中、GM製のバスのみを買わせようとしたことでGMは有罪となっている。
これらのことはアメリカ路面電車スキャンダルと呼ばれる。

ロサンジェルスのパシフィック電鉄(Pacific Electric Railway)は1920年頃、路線延長800kmを持ち、世界最大の電気鉄道とも言われ、ロサンジェルス市内から近郊一帯に鉄道事業を広げていた。その後、前述のNCLに買収され、やはり前述のごとくバス路線へと切り替えられてしまい1961年に輸送を終えている。

やっと話はここまできた。
で、踏切だ。

メトロリンク.JPG

そのパシフィック電鉄の使っていたと思われる、ひとつの路線(サンバナディーノ・ライン)の踏切が写真のもので、今はメトロリンク(ロサンジェルス近郊を走る近郊列車)が同じくサンバナディーノ・ラインとして使っているのである。
写真はメトロリンクの車両、客車側の先頭で運転台を持つ。つまりプッシュプル・トレインで反対側にディーゼル機関車が付き、片道は客車を引っ張り、片道は客車を押す方式の列車である。
通勤客等、客席を確保する為に2階建ての車両だが、それにしてもデカいね。

アメリカ路面電車スキャンダル。それはあくまで疑惑であり本当のことは判らない。
それは、日本でも自動車の増加に伴い路面電車は消えていった事実がある。
しかし、諸悪の根源であるサブプライムローンを行ってきたというモラルの欠けた社風からは、昔から利益を上げる為には、そうしたこともやりかねない、と思われても仕方ないだろう。


Profile

☆畑川 治 1947年生まれ
レースアドバイザー
趣味: 運転、旅行、鉄道、その他

このブログ記事について

このページは、Osamu Hatagawaが2009年6月 8日 15:51に書いたブログ記事です。

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