Essay/Column/Diary

BEMO

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ミニクロコ_JPEG.jpg

今回はBEMO(ベモ)だ。
BEMOはドイツの模型メーカーで、製品はHOと同じ1/87スケールだが、幹線鉄道ではなく、スイスやドイツのナローゲージ鉄道(狭軌鉄道)の車両だけを製品化している。
特にスイスの氷河急行で有名なレイティッシュ鉄道(レイティッシュ・バーン=RhB)のモデルが主力である。
写真の機関車はミニクロコダイルと呼ばれるRhBを代表する機関車である。
実は、以前にひと目惚れというか、このミニクロコを衝動買いしたことからBEMO、そしてRhBを知ることになった。

ミニクロコ_2 JPEG.jpg

モデルバーンの名古屋店が、まだ有松にあった頃に訪れた時、ショーウインドの中に、この機関車を見た。
凸型機(機関車を横から見た時のプロフィールが凸型をしている)でロッド駆動(車輪間の動力伝達をロッドで行うので走ると蒸気機関車のようにロッドが外側で忙しく動く)という独特のスタイルで、しかしバランスの良いカタチ。そして模型としての出来映えが細密過ぎず、しかし全体的に手際良く表現されていて、その好ましい感じが、とても気に入った。そして何より、線路幅が9mmだったことが決定打でもあった。
本物のRhBはメーターゲージ、つまり軌間(線路幅)が1mであり、1/87にすると11.5mmとなるので、BEMO社では本来の製品は12mmでモデル化している。ただ、Nゲージの線路で走らせる人への対応として、当時は9mmバージョンも製品化していたのである。
で、私も当時はNゲージの簡便なレイアウトで遊んでいたので、その線路上で、この好ましいHOサイズの模型が走らせられる、ということが先立ち、そこからBEMOを買い進めることになってしまう、など、後先を考えずに買ってしまったのである。
残念ながらスイスには行ったことが無くて、BEMOを購入後、RhBのことを書籍等で調べるようになった。RhBは線路延長415kmというスイス最大の私鉄で、有名な氷河急行の走るアルブラ線を始めとして、ベルニナ線(丁度、今、テレビコマーシャルで石積みのループを真っ赤な列車が走る、あの路線)や、ダボス会議で有名になったダボス線など、実に美しい景色の中を走る鉄道で、急カーブや急勾配を走るので模型鉄道には、うってつけというか、まるで模型のような鉄道なのである。
車両もバラエティに富んでいて、デザイン的に美しい形のものばかりだし、面白いのは、氷河急行のような10数両も繋ぐ長編成列車もあれば、電車が客車や貨車を牽いだ編成だったりなど、言わば何でもあり状態で、運用面でも模型的な鉄道なのである。

Bernina Lok JPEG.jpg

写真はベルニナ線で活躍するGe 4/4Ⅰ型機関車。
ベルニナ線はスイスのサンモリッツからイタリアのティラノの至る路線だが、実は以前にティラノの近くまで行ったにもかかわらず時間の都合でRhBに乗りに行けなかったことは今だに悔やまれる。

GE66 JPEG.jpg

さて、こちらは氷河急行の編成だが、一歩、話を進めよう。
このGE 6/6Ⅱ型は、日本で言う大型機のF型級機関車であり動輪が6軸ある。いや、先のミニクロコも3・3軸で同様にF型級機だ。
そして、今、走っている線路はNゲージのマイクロエース・ジオラマレールの内回りで、半径281mmなので、HOサイズとしては大急カーブになる。
しかし、苦もなく、つまり脱線もしなければ、カーブに入って速度が落ちることもなく非常にスムーズに走ってしまう。もう一度言うけど、HOサイズのF型級電機が、である。

ABe 急カーブ JPEG.jpg

これはAbe 501型という電車だが、前述のように、実物も客車や貨車を牽いて走る。
このアンバランスが何とも良い。
この電車の全長は195mm位で、87倍すると約17m車であり、日本の私鉄車両に多い18m車に近い。これも、ごくスムーズにこの281Rのカーブを走る。
加えて言うと、BEMOの車両は走行用のギア比(減速比)が大きいのでスローが効いて加減速がスムーズな上、勾配での車速の変動が比較的少なく抑えられている。無論、最高速は遅い。
このことは日本の模型も見習ってほしいところで、ギア比が小さいので、どんな車両も新幹線のようにカッ飛ばして走る姿を見たりもするが、それよりも、ズッシリと落ち着いた走行感のあるBEMOは実感的である。

Ge44ミキスト.jpg

そして、日本では無視されがちだが、カーブの通過性能は鉄道模型では重要な要素である。それによってユーザーは楽しみ方の幅が大きく広がる。
逆に小さなカーブが曲がれないと、当然、走らす時には広いスペースが必要となり、しかし、なかなか大きなレイアウトスペースがとれないので、結局、組み立て式なりで床上で走らすことにもなってしまう。
個人的には、床上で走らすことが嫌いで、足が痛くて仕方がないし、模型をバードアイで見るので、せっかく良く出来た模型も屋根ばかり見ることになり、ちゃんと見るには床に顔をつけることにもなり、とても大人の趣味とは思えなくなるからである。

全景ミニクロコ JPEG.jpg

カーブの通過性能が高ければ、こうしてリビングテーブルの上でも走らせられるのであり、例えば、定尺(畳1枚)のスペースが確保出来れば(固定レイアウトのように据え置きで無くとも、普段は立てかけておくとか)、HOを余裕で走らせられるし、また、その上に色々な線路配置も可能となる。

定尺サイズのレイアウトに関しては本コラム「Railway タイトルのレイアウト」参照。
http://www.hatagawa.net/2008/02/railway.html
あるいは兄のHPより「定尺ボードの勧め」参照。
http://www.geocities.jp/momo24dan/teijyakuboad.html


それにしてもBEMOを走らすには、こんな殺風景な線路ではなく、自然の景色の中でないと似合わない。そんなレイアウトが必要なんだけど・・・・


ランドワッサー橋.jpg

写真は兄の作ったNゲージスイス型レイアウト。RhBのランドワッサー橋的な石造りの橋を渡る氷河急行。
http://www.geocities.jp/momo24dan/gornagrate.html

Profile

☆畑川 治 1947年生まれ
レースアドバイザー
趣味: 運転、旅行、鉄道、その他

このブログ記事について

このページは、Osamu Hatagawaが2009年7月 2日 22:40に書いたブログ記事です。

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