Essay/Column/Diary
兵どもが夢の跡
F1日本グランプリが開催された翌週の鈴鹿サーキットに於ける写真だ。
手前の骨組は仮設スタンドで、まさに解体されつつあるところである。
“夏草や” ならぬ ”秋風に、兵どもが夢の跡” たる風情を感じる・・・かな?
レースというとF1と思われがちだが、しかし、鈴鹿サーキットはF1レースだけを開催している訳ではない。F1レースの翌週には、鈴鹿クラブマンレースが開催され、実際には、夢の跡どころか夢いっぱいに色々なレースが行われているのだ。
鈴鹿クラブマンレースは、その名の示すとおり、純アマチュアによるレースであり、若い人から年配(最高齢64才!この人が速い!)まで、色々な人が参加するレースである。
この日に行われたレースは5レースで、それぞれ午前中に予選、午後に決勝レースとなるスケジュールでワンデーレースと呼ばれる。
5レースの各カテゴリーは次のとおり。
・レーシングスポーツ/ネオヒストリック の混合レース
・フォーミュラ・エンジョイ レース
・FJ1600 JAF地方選手権レース
・シビックEK9 ワンメイクレース
・スーパーFJ JAF地方選手権レース
写真は右手前とその後ろが一昨年から始まった新しいカテゴリーのスーパーFJでウイングが付くと上級フォーミュラにも見える。
左の赤い車はFJ1600だが今年でJAFの選手権を終了しスーパーFJが引き継ぐ。その後ろ2台がフォーミュラ・エンジョイ車両でクラッシュ時の安全を鑑み大きなボディを持つ。
各レース、アマチュアレースとは言えども熱戦が繰り広げられるので大変面白いレースを見ることが出来る。
例えば、(私がアドバイザーを務めている)フォーミュラ・エンジョイレースは15周のレースだが、スタート後トップは毎周のように入れ替わる展開で、4台位がトップグループを形成して競い合うし、それ以下の順位のところでも絶えず抜き合いのあるレースで、チェッカーフラッグまで、息の抜けない、そして見る者を飽きさせないレースが展開された。
そう、実は純粋にレースを見る場合、下位のカテゴリーほど面白いものである。
というのも、下のカテゴリーの車はエンジンパワーが低く、空気抵抗に大きく左右される。それは先頭を走る車はモロに空気抵抗を受けるが、後ろに着いた車は前車の陰で抵抗が少なく、また前車の発生する車両後部渦により、近づくと吸い込まれるように加速する(スリップストリームと呼ぶ)。
こうしたことから、直線では前より後ろの車が速くなり、抜くことが可能になるのである。しかし、前に出ても次の周には立場は逆転して抜かれることになるので、抜きつ抜かれつのレースが展開される訳だ。
にしても観客席はガラガラで ”兵どもが夢の跡” そのもの。
タダ(入場料は必要)で見られる、こんな面白いレース、見なけりゃ損だと思うのだが。


