Essay/Column/Diary

元祖 エンデュランスレース

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ポール.JPG

8月のコラム「もうひとつのエンデュランス」の続きになるが、こちらがその元祖となる鈴鹿の夏の名物耐久レース「鈴鹿700km」のスターティンググリットでの写真。
従来「鈴鹿1000km」として開催されてきたが、昨今の経済状況やエコ意識の高まりから距離が短くされた由、700キロとは、何か中途半端な感じが否めない。
ここから話題をふたつほど。

まずは、佐々木孝太君「優勝おめでとう」

佐々木孝太.JPG

前の「もうひとつのエンデュランス」コラムでは、父親の「マムシの秀六」さんと組んで走った佐々木孝太選手。
スターティンググリッドで、
「今度は本番だな、調子はどう?」と声をかけると。
「結構いいですよ」と答えて、ポーズを取ってくれたのがこの写真。

スーパーGTレースは、今、日本で最も人気のあるレースで、その中でも真夏の鈴鹿700kmはシリーズ中、最も長距離のレースであり、シリーズの目玉レースである。
この車はGT300クラスで参戦する「R&D SPORT LEGACY B4」つまりレガシィであるが、大きくデフォルメされたプロフィールはなかなかカッコ良い。
予選はクラス11位で、果たしてどこまで上がれるか、というものだったが、彼の言うとおりレースタイムは好調で、250kmの時点では2位にまで上がってきた。
そして終盤、2位にまで上がりトップとは8秒差まで詰め寄った。そして最後のピットストップ、孝太君が最後のステアリングを握りコースに出ると見事に逆転してトップに立った、そして大事なアウトラップのスピードで2位を圧倒し、その後の数ラップも好タイムを連発して1位を確実にする。やがて鈴鹿名物の夕暮れ、各車ヘッドライトを照らして走る美しいレースシーンが見られるが、見事にトップのままチェッカーを受けた。
いやー、いいレースを見せてもらいました。
孝太君おめでとう。

因みに、この前日、もうひとつエポックメーキングな出来事があった。それは速い方のGT500クラス。
GTレースは基本的に耐久レースなので2人のドライバーが組んで走るのだが、鈴鹿700kmは距離が長いので、もう1人参加させる場合がある。
オートバックスカラーのARTAチームはF3に乗る若手の小林崇志選手を育成を含めてエントリーしてきた。
小林選手は現在F3で活躍する選手で、今年は開幕から連勝を重ね現在ランキングでトップに居るが、そのF3の前にはFCJレースに3年参加しており、私の良く知るドライバーでもある。
で、土曜日には予選が行われ、スターティングポジションが決まるのだが、予選はF1同様のノックアウト方式が採られていて、3段階で、1本目、2本目と数台すつ予選落ちが決まって行き、最後の3本目には残った5台だけてポールポジションを目指すことなる。全ての予選を同じドライバーで行くことは許されないので、3本目にはチームで最も速いドライバー、つまりナンバーワンドライバーが乗ることになる。
ところが、何を間違ったのかARTAチームは3本目のドライバーに小林選手を登録してきた。
実は金曜日に小林君に合ったのだが、まだ車には殆ど乗っていなくて富士で少し走った程度とのことで、金曜の練習でも、同じチームの2人のドライバーより、当然ながら劣るものだっただけに、私をはじめ皆が驚いた。
理由は単純で、予選ドライバーの登録間違いで出してしまった、という訳だった。
そして予選、予定どおりに2本の予選を勝ち上がり、5台だけで3回目に入る。各チーム、ナンバーワンドライバーによるタイムアタックに入る。毎周タイムを上げる小林君だが、そのタイムが練習より遥かに良い、そしてついに、何とトップタイムを叩き出してしまった。
これにはサーキット中が揺れた。チームオーナーの鈴木亜久里の驚き/高笑いの映像がビジョンに流れる。
スカイラインGTRのブノア・トレルイエの渾身のアタックも小林君のタイムに0.174秒届かず、ポールポジションが確定した。
小林君は数々のフラッシュを浴びることになり、シンデレラホーイとなった。

小林ポール_2.JPG

自動車レースは自動車が走る競技であり、それをレーシングドライバーが操る訳だが、車の状態が素晴らしく良い時があり、ややもすると、こうしたエポックメーキングなことが起こる。勿論、小林選手がこれまでに努力して身につけた実力が生きたことは確かだが、だからといって全てが小林選手の力によるものではなく、そのことは本人が一番自覚している。
それにしても、本当に良かったなあ「小林君、おめでとう」

いくつもの、いいものを見せてもらった鈴鹿700kmレースだった。


Profile

☆畑川 治 1947年生まれ
レースアドバイザー
趣味: 運転、旅行、鉄道、その他

このブログ記事について

このページは、Osamu Hatagawaが2010年9月24日 11:34に書いたブログ記事です。

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