Essay/Column/Diary

今回はRAPIDE

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ラピード乗込みNoなし.jpg

ラピードと言ってもピンと来ない方も少なくないと思う。
いや、私がそうだった。
「今年、乗って頂く車はラピードです」と言われた時のこと。
DB9かバンテージかと勝手に思っていたので「あれっ、どんな車だっけ」と思ってしまったのである。
ラピードとはアストンマーティン最新の4ドアスポーツカーのことだった。

アストンマーティンのイベント「ASTON MARTIN TRACK DAY in SUZUKA」のインストラクターを務めさせて頂いている。
アストンマーティンの主力代理店である大阪の八光自動車が主催するイベントで、鈴鹿サーキットを使って行われる。

ストレート走行トリミングNoなし.jpg

前回は東コースを使用して行われたが今回はフルコースを使用する。
フルコースはデグナーカーブ、スプーンカーブそして130Rを含み、世界有数の高速コースである鈴鹿サーキットの真骨頂である。しかし一方では、大きなクラッシュ事故が起こるのもそうした部分であり、インストラクターとしては、如何に事故無く、楽しんで頂けるか、というプログラムを組む必要があった。
幸い、前回組み立てたフォーマットがあるので、それをベースに改良し、他の3名のインストラクターともしっかり打ち合わせをして臨んだ。
ところで下世話な話、この上の写真に写っている車だけで幾らだろう、と思ってしまう。軽く1億は越えてるもんね。

rap_0.jpg

さて、私が乗ることになったラピード、高級なスポーツカーだが、やはり同じスポーツカーでもイタリアやドイツのスポーツカーとは趣が異なり、デザイン的にも、その中身も、イギリス独特の雰囲気を持っている。(写真は八光カーグループHPより)
簡単にスペックを紹介すると、
車体はアルミを主体に作られた4シーター/4ドアボディ。
サスペンションでは前後共にダブルウィッシュボーンを採用している。面白いのは、フロントにアンチダイブ・ジオメトリーそしてリアにはアンチスクオット・ジオメトリーを採用しており、ブレーキング時の前の沈み込み、リアの浮き上がりを規制しており、これらは特に高速走行でのブレーキング時に安定したブレーキング姿勢が得られる。高出力の車には、それ以上に強力なブレーキが必要だが、キャリパーやローターだけでなく、車の姿勢にもスタビリティを持たせたあたり、シャシー屋としては興味をひいた。
因みに車両重量は1950kg。
エンジンはV12 気筒48バルブ5935ccwで477馬力をフロントミッドマウントに搭載する。
ミッションはリアミッドに積んだ6速ギアボックスだが、普段はオートマとして使えるし、ステアリング奥のパドルシフトによりスポーツドライビングでのマニュアル・シフトワークも可能。
ま、もっと色々あるのだが、これ以上は八光カーグルーフのホームページを見てほしい。
http://www.hakko-group.co.jp/
というように、非常に強力なスペックを持つのだが、しかし、普通に走る時は、まさにジェントルに走る車だし、いざとなれば強烈な運動能力を示す。というあたり、やはりジェームス・ボンドとイメージが重なるんだよな。

ラピード運転席.JPG

こちらはラピードの運転席。
スポーティであり、かつ英国的な高級で重厚な雰囲気が漂う。
走る前にコックピットドリルを受けるが、最新のテクノロジーも満載であり、その全てをすぐにはとても扱えそうもなく、とりあえず、これからの走行に必要なことだけ頭に入れる。
因みに、助手席が飛び出す装置は備わっていなかった。

走りの方はというと、まずはピット出口の速度制限ラインを越えてフルスロットルにした時の気持ち良さ、2トン近い車体とは思えぬ強力な加速感とV12の咆哮が素晴らしい。
車の重さゆえ、コーナーは厳しいだろうと思っていたが、他のインストラクターの乗るDB9の後ろを走った時、S字区間は殆ど離されることなくついて行けた。しかし流石に荷重の大きく架かるダンロップコーナーからは離される。
ヘアピンでは、どうしてもブレーキを気遣ってしまうが、結局、最後までフェードもしなかったので、目一杯攻めても良かったのかな。また一度、トラクョンコントロールを切ってみたが、やはり強く加速した途端にパワードリフトに入り大きく流れた。このようなハイパワーの車ではトラコンは切る必要は無いだろう。
ヘアピン後の200R通称マッちゃんコーナーをスプーンに向けて駆け上っていく途中では、その加速ゆえに車は限界を越えて滑り出しそうなのでスロットルを緩めねばならない、これがレースなら目をつぶって全開で行くんだろうな、と思いつつ。
というように、この2200万円もする車を、安全マージンはしっかり残しつつも、気持ち良く飛ばして走らせてもらった。

私の場合は仕事だが、こうして高性能スポーツカーを思う存分走らせる場として、このようなイベントは大変良い企画だと思う。
ここでは、スピード違反の取り締まりも無ければ、トラックや軽自動車などといった種類の違う車と一緒に走ることもなく、それこそ、思う存分車の性能を引き出して走れるし、自身のスポーツドライビングを楽しめるのだから。
(しかも、ちゃんとしたインストラクターが4人も付いているしね)

今回のイベントで有難かったのは参加者の方全員のマナーが素晴らしく良く、アドバイスも聞き入れて頂けたことで(ヨイショでは無い、大概こうした走行会では言うことを聞いてくれずに、ヤッてしまう人が何人かは居るものだ)今回は車同士の接触やクラッシュも全く無く、走行を存分に楽しんで頂けたのがインストラクターとしては嬉しい。
また、閉会式で参加者の方々の「いい汗をかいた」感のある爽快な顔を見ていると、沢山のお客様を運んだレーシングタクシー運転士としての疲れも吹っ飛ぶ思いがした。

全員写真.jpg

Profile

☆畑川 治 1947年生まれ
レースアドバイザー
趣味: 運転、旅行、鉄道、その他

このブログ記事について

このページは、Osamu Hatagawaが2010年11月25日 17:51に書いたブログ記事です。

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