Essay/Column/Diary

この車は何という車?

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◎コックピット_2.jpg

この車、各部にカーボンファイバー(CFRP)が使用されているが、さて、何という車でしょう?
ステアリングセンターのマークで判れば大したもの?
CFRPは最も大切なメインフレームにガッチリと使われている。私の知るところ、このメーカーはCFRPを最初に車両に取り込んだコンストラクターではなかったろうか、それは80年代にF1のシャシーに。


そう、このメーカーは先日のF1日本GPでもジェンソン・バトンのドライブで優勝したマクラーレンであり、この車はマクラーレンの市販高性能スポーツカーの「マクラーレン MP4-12C」である。

◎ポートレート.jpg

先日、大阪での発表会があり、お邪魔してきた。
というのも、私がスポーツアドバイザーをさせて頂いている八光カーグループが、マクラーレンの正規代理店となったからである。
http://www.hakko-group.co.jp/

まずは車のスペックをかいつまんで紹介しよう。

■エンジン:総排気量3,799 cc、90°V8、DOHC32バルブ 可変バルブタイミング付き、ツインターボ、ドライサンプ方式、最高出力600 PS (441kW)@7,000 rpm、最大トルク 600 Nm @ 3,000 – 7,000 rpm
■トランスミッション:7速マクラーレン デュアル クラッチ、シームレスシフト、プリ・コグ機能付き
■ステアリング:ラック & ピニオン方式、電子制御油圧式可変ギアレシオ パワーステアリング、ロック トゥ ロック 2.66、最小回転直径 12.3 m
■サスペンション:マクラーレン プロアクティブ シャシーコントロール
  ダブルウィッシュボーン、ダンピング & ロールモード制御(ノーマル/スポーツ/トラック)
■ビークル ダイナミクス:オープンデフ、ブレーキステア付き、スタビリティコントロール(ウィンター/ノーマル/スポーツ/トラック)、トラクションコントロール、ローンチコントロール、ABS、ESC
■ホイール&ブレーキ:ホイールサイズ(前/後)8.5”× 19” / 11”× 20”
 タイヤ銘柄 ピレリ P-ゼロ、タイヤサイズ(前/後)235 / 35 R19 / 305 / 30 R20
■ブレーキ:鋳鉄ディスク+鍛造アルミニウムハブ、ブレーキキャリパ-前/後)4ピストン / 4ピストン
■車両重量:DIN 車両重量1,434 kg、乾燥重量1,336 kg
■前後重量配分(前/後)42.5 % / 57.5%
■パフォーマンススペック  
 最高速度 330 km / h
 0 – 100 km / h 加速 3.3秒(コルサタイヤ仕様 3.1秒)
 0 – 400 m 加速 10.9秒@ 216 km / h
■制動性能  
 100 - 0 km / h 30.5 m
■価格 27,900,000円 (税込み)

流石はマクラーレン、ロードゴーイングカーとしては現状考えられる最高のものを揃えていると言えよう。

ここで、マクラーレンの総指、ロン・デニスの言葉を紹介しよう。
「F1で勝つのは簡単なことだ、世界一のものを揃えれば良いのさ」
いやまさに、ぐうの音も出ない。
そして、その言葉の印象は、この車にも生きているようだ。
また、単に高性能を誇るだけでなく、コックピットのセンターコンソールにはノーマル/スポーツ/トラック(サーキットの意)の切り替えスイッチがあり、走行モードというか、ロードコンディションにより油圧を使ったサスペンションのセッティングが出来るようになっている。まさにサスペンションを知るコンストラクターらしい。オンロードとサーキット走行ではあまりに条件が異なるので双方を満足させる足は、まず有りえない。ロードに合わせばサーキットではロールしまくり、サーキットに合わせればロードではガチガチで乗れたものではなく、このアジャスタブルなサスペンションは大変有効に働くだろう。

◎シャシー_2.jpg

こちらはシャシー、その心臓部たるセンター部分にCFRPを使う。カーボン材は軽量ながら強度と剛性は非常に高く、レーシングカーの性能と、そして安全性を一気に高めた。
一般にドライカーボンとか呼ばれているが、プリプレグという、樹脂を浸透させたカーボン材を型の中で幾層にも重ね合わせ、釜に入れて高温で焼き固めると同時に余分な樹脂を吸い出す、という手法で作られる。プリプレグの材料代も高いが、製造には手作りのような部分も多くて技術を必要とし、同時に手間のかかるもので、当然コストはかかってしまう。それでもF1では性能優先で採り入れられた訳だが、こうして市販スポーツカーの世界にまで、その性能が及んできた訳だ。
前後のサブフレームは、非常に断面積の大きなアルミで構成され、こちらもガッチリと強そう。何れも、軽さと強さを追求したものだが、想像するところ、前後に金属材を使ったのはエンジンやサスペンション、補機類の取り付けの良さを考慮したものと思えるが、一方では衝突時の衝撃吸収として、アルミから潰していこうということだろう。あまりにもガチガチでは体にきてしまうから。

◎ドアオープン_2.jpg

ドアを跳ね上げた状態。乗降性を考慮してか、ステップの外側部分はドア側にある。
何よりも、この跳ね上がったドアは普通の車と大きく異なる差別化であり、インパクトがある。


さて、マクラーレンを販売する、ということは簡単なことではない。
数年前から交渉してこられた、とのことだし、あの完璧主義のロン・デニス氏のこと、子細に審査され、合意に至ったと思える。というのも、日本からは名だたる外国車ディーラー数社が代理店権取得に動いたようだが、いわゆるマクラーレン社のメガネに適わず、この八光カーグループが選ばれた、という。
八光さんのこれまでの、販売、アフターサービス、顧客満足度といった、真の意味での実績が評価されたものと言えよう。

八光ではマクラーレンの日本第1号のショールームとして来年1月に大阪のど真ん中、御堂筋にショールームがオープンする。
因みに、この車の予約申し込みは始まっていて、何と、すでに2012年度分は完売とのこと!!
世の中、景気が悪いことは通説だが、たまには、こうした景気の良い話もいいじゃないですか。

何より、八光の皆さん、マクラーレン オートモーティブ社の正規代理店の取得、おめでとうございます。

◎会場.jpg


Profile

☆畑川 治 1947年生まれ
レースアドバイザー
趣味: 運転、旅行、鉄道、その他

このブログ記事について

このページは、Osamu Hatagawaが2011年10月24日 20:59に書いたブログ記事です。

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