Essay/Column/Diary

スキャナー写真より コモからモナコへ

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◎コモからの電車内_2.jpg

前回の続きになる。前回同様、写真はL版の紙焼きからスキャンしたものであり、鮮明でないことはご容赦願いたい。
さて、コモ駅に入ってきた電車は鈍行列車の上、かなり古い感じの車両だった。しかし乗ってみると非常に快適だった。
この写真はその電車の車内だ。隣の席の女性を写したのではなく、あくまで車内を写したもの。

ひと昔前の日本の国鉄車両にも似た感じだが、より重厚感が漂う。
何より、腰部をしっかり支える分厚い作りのシートに感心する。座った瞬間にドッシリとした落ち着いた気持ち良さを感じる。椅子文化の歴史というか、その深さを知る思いがした。
あるいは、このシートバックの高い、落ち着いた車内の雰囲気からは、当初は優等列車として使用されていた電車かも知れないな、と思った。

◎イモリ電車.jpg

写真はミラノ駅で写したこの電車の外観だが、何とも奇異な形をしている。こんな流線形状をしているにも関わらず、前部に貫通扉を、しかも両開き扉で配している。
それにしても、この顔、バッタというかイモリというか。

◎ミラノ駅.jpg

ミラノ中央駅のコンコース。
写真になると、さほど感じられないが、天井の高さからくるスケール感は圧巻である。
城や教会、ホールなどヨーロッパの権威ある建物は高さによる空間、いわば究極の吹き抜けを見せる。
ここから急行列車に乗ってモナコの手前、ベンチミグリアまで行くのだが、客車はコンパートメント(6人部屋タイプ)だった。とは言え、一等席にもかかわらず指定席ではないので空席を探しまわり、やっと見つけた部屋には日本人の青年も乗っていた。
間もなく列車が走り出すと、その青年と色々話をするようになる。彼はイタリアに住みついて彫刻をしているとのことだ。それで、何故イタリアなのかというと、イタリアは石の種類が大変豊富なのだ、という話だった。(私は、芸術的環境を一番に挙げると思ったのだが・・・)
そこで先程の、石造りのミラノ駅の立派さについて話しかけてみたのだが、
「あんな所に手間かけて、アホですわ」と、ネイティブな関西弁で、思わぬ答えが返ってきた。
公共の場所へのエネルギーのかけ方に対する批判なのか、とも思うが、とりあえず、前後の会話からも、かなり個性ある感覚の持ち主なのだなと思えた。
海外に行くと時折、こうした日本では会えないような個性を持つ日本人に出会うことがある。それもまた海外旅行の楽しみである。

◎ジェノバ駅_2.jpg

途中のジェノバ駅で写したもの。
ジェノバ駅は、このように崖が迫り、トンネルに突っ込むような変わった駅で、我々の列車は機関車を機回しして前後入れ替え、戻る方向に走り出した。

ジェノバを出発すると、いつの間にか寝てしまった。
やがて目を覚ますと列車の速度は落ちていて、比較的カーブが多いようだ。
と思うと目の前に海が広がっていた。
「おお、地中海だ」
地中海は、空からは見たことがあったが、こうして目の前で見るのは初めてだった。

◎車窓_地中海_2.jpg

その緑がかった海の色は印象的でとても美しい。
眩しいほどの太陽に照らされた景色は素晴らしく、暫らくの間、海に面した通路側の窓から離れられなかった。
写真のような広い海岸だったり、岬のように飛び出した所、あるいは木々に囲まれた入江など、それらの景色を見ていると飽きることは無かった。
そのうち、少し違和感を感じた。
「何か、見間違ったのかな?」と思いつつ、同じ景色が来ないかと注視した。
「いや、間違いないぞ」
私は友人に訴えた。
「おい、時々トップレスが居るぞ!」と。
その後も何度も同様の女性を見つけたが、日本では有り得ない女性の姿に驚いた。
やがて列車はベンチミグリアに到着した。
トーマスクックの時刻表は携行していたが、あいにくモナコ方面への接続便は無く、タクシーでモナコに向かった。
モナコでは友人に会い、夕食を共にした。

翌日はモナコのすぐ隣のニースに向かい、ついでに海で泳ぐことにして、その後、ニース空港からパリに飛んだのだが、

◎ニース海岸.jpg

ニースの広い海岸には水泳客というか、日光浴をする人がいっぱい居た。
そして前述のトップレスの話に戻るが、女性の2割程度がトップレスであり、ここでは特別なことではなく自然なものとなっているようだ。
不思議なもので、そんな中に暫らく身を置いていると、健康的で好ましい風景に思えてくるのである。
因みに、ニースの海岸は砂浜では無く、小石による浜なので、濡れた体でも砂で汚れることもない。自然のままなのかどうか知らないが、何か良く出来ているんだよな。

下の写真はベンチミグリアの手前、サンレモ駅ですれ違ったイタリア国鉄のE645型電気機関車。装甲車のような無骨さが魅力の車両である。
サンレモは音楽祭で有名なところだが、こんな海べりの小さな駅で、反対側には山が迫り、とても大きな街には思えなかったが、ここで、あの有名な音楽祭が開催されるのか、と不思議に思えた。

いや、考えてみれば、同じような地形のモナコの街でF1レースを開催してしまうのだから、それよりは簡単な話か。

◎サンレモ電気機関車.jpg

Profile

☆畑川 治 1947年生まれ
レースアドバイザー
趣味: 運転、旅行、鉄道、その他

このブログ記事について

このページは、Osamu Hatagawaが2012年2月22日 17:49に書いたブログ記事です。

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