Essay/Column/Diary

羊の皮を被った豹

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〇コックピット.jpg

この何とも綺麗なキャビンは、サーキットドライブの性能上でも、とても素晴らしかった車、アストンマーティン・ラピードだ。
先日、私がアドバイザーをさせて頂いている八光カーグループの社員試乗会があり、いくつもの車をドライブする機会を得た。

兵庫県のセントラルサーキットにて、この社員試乗会は行われた。
非常に多くのブランドを取り扱われている八光カーグループだけに、30数台の様々な車種の試乗車を持ち込み、100名以上の社員の方が試乗されるという、実は凄い企画なのである。
参考:八光カーグループHP http://www.hakko-group.co.jp/

〇マセラティ.jpg

私はドライビングの講習と、そして、サーキットレーシングTAXIをさせて頂いたのであるが、この日は、4車種を乗継ぎ走行した。
・ジャガーXF
・マララティQP V6
・アストンマーティン・ラピード
・アバルト595
こうして見ると判るが、感心するのは八光自動車の販売車種はいずれも高性能車ばかりであることだ。
そして今回、特に印象的だったのが、アストンマーティン・ラピードである。

〇アストン乗車.jpg

ラピードはスポーツカーではあるが4ドア車で、完全な4人乗り。その後部座席もバケットシートのような形状でホールド性も高いスポーティで、且つ快適なものが備わっていた。
とはいえ、この大きなスポーツカーは、運動性能を最も要求されるサーキット走行では、どうなのだろう、と言うのが乗る前の興味だった。
スペックを見ると、
全長5019mm、全幅1929mm、ホイールベース2989mm、車両重量1990kgであり、
エンジンはV12気筒48バルブ5935cc、馬力は558psで、0~100km/hは4.9秒と速い。
スペックで気に入ったのが、エンジンの搭載位置がフロントミッドマウントであり、また、6速のトランスミッションがエンジンとは切り離されてリアミッドに配置されている。
これらのレイアウトは重量物を極力車両中央部に寄せて運動性能を上げるもので、前後の重量配分は48:52と理想的なものになっている。
サスペンションは前後共にダブルウィッシュボーンでアンチダイブやアンチスクォートのジオメトリーを採用するなど、接地性と共に姿勢変化に対応しており、これらのことは走りに興味を持たせてくれた。
無論、最新の電子制御は揃って備わっており、スタビリティのコントロールやブレーキのコントロール、そしてアクセル/トラクションのコントロールなどなど。
現代の高性能車は、その高加速と共に、止めたり、曲がったりする部分で安定し、安全に走れるシステムを有する。だから無茶をしない限り、とても安全な乗り物となっている。
走行モードも同様に「ノーマル」「スポーツ」「トラック」・・・なぬ!トラックつまりサーキット・モードが設定されているのか。
ということで、私はハナから「トラック・モード」で走り出した。
ピットロードから加速していくだけでも、その加速感とV12気筒のサウンドに魅了される。
私がストレートを通過するときにはピット前にいる人達に、とても良い音を響かせていたらしい。だろうな、乗っていて何とも気持ち良いもんな。
速い車に大切なのはブレーキだ。これも、この車は自然なフィールでとても良く効く。特にセントラルサーキットはブレーキに厳しいし、2トン近い車にもかかわらず、約1時間を常に2人乗りで飛ばしたが、フェードの兆候は全く無く、安定してブレーキが効くので安心してフルブレーキを使えた。
そして何より、コーナリングの素晴らしさが、この車の真骨頂と思えた。
車が大きいことを忘れさせ、純粋にスポーツカーをコントロールしている感覚である。進入速度を高めてブレーキを残してコーナーに入るとリアが少し流れ始めるが、全く穏やかでコントローラブル。コーナリング中も車のバランスが良いので不用意な動きは見せず実に安定したコーナリングが出来る。
そして加速に移るのだが、最新の各車はリアタイヤがナーバスな状況ではアクセルを踏んでも反応しないシステムになっている。当然安全の為で、リアが滑りつつある時には駆動を無くし、速度を落とさせて安全方向に持っていく訳で、車によってはアクセルを踏んでも3秒以上も反応してくれない。
正直言ってレーシングドライブを行う時には余計なお世話のシステムで、当方はリアの滑り出しをアクセルを踏んでグリップを増し、加速しつつコントロールしたいのですよ。
そんな最近のシステムだが、このラピードは最も反応がリニアに近く、少しのタイムラグでアクセルに反応してくれる。そうですよ、これがスポーツドライブなんですよ。
この日、約3時間走った最後の1時間がラピードだったが、あまりのドライビングの楽しさに、言わば時間を忘れるほどの快適なスポーツドライビングだった。

さて、このラピード、乗るまでには4ドア・スポーツカーの性能は如何なものか?
と思っていたが、完全に高性能スポーツカーであった。
昔、コルチナロータスを「羊の皮を被ったオオカミ」と呼んだが、
このアストンマーティン・ラピードは「羊の皮を被った豹」と言えるだろう。

〇アストン_リア.jpg

Profile

☆畑川 治 1947年生まれ
レースアドバイザー
趣味: 運転、旅行、鉄道、その他

このブログ記事について

このページは、Osamu Hatagawaが2014年6月 3日 17:46に書いたブログ記事です。

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