Essay/Column/Diary

長屋宏和君

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阿部夫人挨拶.jpg

紹介したい人が居る、その人は長屋宏和君だ。
先日、帝国ホテルで行われた彼の結婚披露宴に招待頂き出席してきた。
写真の写りが悪くて恐縮だが、また、ご挨拶の主賓の方も後ろ姿で失礼。
そんな写真だけど、よく見て頂くと新郎の下には車椅子の車輪が見える。
また、プロジェクターの映像で主賓が誰か、お判りになるだろうか。

2002年10月13日、鈴鹿サーキットでF1グランプリが開催されていた。その前座レースとしてフォーミュラ・ドリーム(FD)レースがあった。
FDレースは、ホンダが優秀なレーシングドライバーを育てる為に2000年から開催されたレースで、私はドライビング・アドバイザーを務めていた。

FD2002走行_2.jpg

長屋君は2000年から2年間FDに参加し、2002年にはF3レースへと順調にステップアップしていたが、このF1前座レースにはゲストドライバーとしてFDレースに参加していた。
そして、このレース中にスプーンコーナーで大きな事故に遭ってしまった。まさに命を無くしていてもおかしくない強烈な事故だった。
彼は頚椎を損傷してしまい長期の入院を余儀なくされた。そして退院後も障害が残り、チェアウォーカーとして暮らすことになった。
私も2度ほど東京の病院にお見舞いに行った。先ずは命があって良かった、と思った。やがて、少し良くなっても障害が大きく残り、彼の今後のことが気になっていた。
時は経ち、その後の長屋君の活動は立派だった。
自身チェアウォーカーとなり、その不便さの中からの発想で、チェアウォーカーの為のオシャレなジーンズを作り、あるいは車椅子ごとカバーするレインコートなど「ピロレーシング」ブランドを立ち上げ販売した。いや、ウエディングドレスもあった、車椅子の花嫁さんにウエディングドレスを、とは、聞いただけでも泣けそうな話ではないか。
そして活動はファッションショーを催し、またバリアフリー化活動、各種イベントへの参加、講演、そして著書「それでも僕はあきらめない」出版など多岐に及び、それらのことはメールでも案内を頂いていた。
紹介するにはあまりに多過ぎるので、まずは彼のホームページをご覧頂きたい。
http://www.piroracing.com/index.html
そう言えば、ある朝、新聞を開けるとドンと長屋君の顔が載っていた。朝日新聞の「フロントランナー欄」に彼が取り上げられていた。何と素晴らしいことだろう、彼は世の中をリードするような評価を得ていた。
そんな長屋君の色々な活動は世間の知るところとなり、多くのメディアでも取り上げられた。
2013年には人間力大賞グランプリ受賞、内閣総理大臣奨励賞を受賞した。
また、2014年の秋の園遊会に参列するという。
もはや我々レースの世界では有り得ないような功績を挙げるに至ったのである。

阿部夫人映像.jpg

話は最初の披露宴に戻って、主賓のご挨拶はこの方。安倍首相の奥様、安倍昭恵夫人だった。車椅子で入場した長屋君に心打たれ、最初から涙ぐまれて、しかし素晴らしいご挨拶をされた。
300人も列席した実に立派な披露宴だった。
以前に、図らずも彼の行く末を按じたことがあった私だが、その後、彼は想像も出来ない活躍をして、社会的にも認められる実に立派な青年となっていた。
そしてこの日、こんなに立派な披露宴が催された。
とても嬉しい出来事だった。
「長屋君、本当におめでとう」

長屋君披露宴_2 - コピー.jpg

Profile

☆畑川 治 1947年生まれ
レースアドバイザー
趣味: 運転、旅行、鉄道、その他

このブログ記事について

このページは、Osamu Hatagawaが2016年9月20日 09:39に書いたブログ記事です。

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