Essay/Column/Diary

続 ダリとピカソ

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〇ピカソの絵.jpg

前回のダリに引き続きピカソの話。
因みに、この絵は下にサインがあるとおりピカソが描いたもの。
ピカソの作品は前衛的で理解不能の絵が殆どだが、このように素直な、とでも言えば良いのか、デッサンの確かな絵もある。
スペインに行った際、バルセロナにあるピカソ美術館の売店で買ったものだ。

何故、ピカソ美術館を訪れようと思ったのかと言えば、元々、多くのピカソの作品は訳が解らず、私などには全く理解出来るものではない。
しかし、ピカソの逸話で、画家である父親がピカソがまだ15歳の頃に「この子には敵わない」と言ったそうで、その15歳の頃のピカソの絵が見たい、と思っていたからである。

ホテルから乗った黒と黄色に塗り分けられたプリウスのタクシーは、裏通りを猛烈な勢いで飛ばした。人を撥ねたりしないかと気が気では無かったが、最後に路地のような所で車を止めた。
一瞬、ヤバいところに連れて行かれたかな、と思う。
若いタクシードライバーは先を指さし「この先がピカソ美術館だ」とスペイン語で言っているようだ。
お金を支払い、その通りに降り立つが、本当にこんな所に美術館があるのか。
不安を覚えつつ先に歩いて行くと右手にいきなり入口があり、そこがピカソ美術館だった。

ピカソ美術館_1.jpg

その家並みに溶けた込んだ古い石造りの建物が、あの前衛的な作品が展示されている美術館とは思えなかった。
展示は順路に従い、青年期から晩年に至るまで移って行くもので、個人的な興味は最初のあたりだけだ。
ピカソは1881年にマラガで生まれ、1973年に91歳で生涯を閉じている。従って、私が見たい絵は15歳の1896年頃の作品である。
目指す絵は早々にあった。
その絵は、農家の納屋の中を描いたもので、荷車を中心に農機具などがあり、何人かの人が佇んでいた。
遠近法を踏まえたデッサンの正確さ、リアルな表現力、そして特に関心したのは屋根の方から斜めに差し込む光の表現で、各部分に受ける光の強弱、陰影が見事なのである。
これが15歳の子の描く絵なのか、いたく感心するばかりで、父親が「この子には敵わない」と言わせてしまうのも納得が出来た。
私も馬鹿で、私が最も好んだ、この絵の作品名も覚えなかったし、きっと中の売店で印刷物を売ってるだろう、などと簡単に考えていたが、その絵は無かった。
今もインターネットで「ピカソ15歳の絵」などと検索しても、この絵は出てこない。
ということは、私だけが興味を持ったものなのだろうか?

〇科学と慈愛.jpg

私が興味を持った絵が無いので、とりあえず有名な「科学と慈愛」の絵でも。(写真は無料画像より)
このような作品を16歳の時に描いていたのである。
リアルに描く技術力は既に身に着けていて素晴らしい。また人の感情まで感じさせるあたりが凄い作品だと思う。
何よりも、あのピカソがこのような絵を描いていたこと自体、驚きですよね。

それにしても私が感銘を受けたあの納屋の絵、ネットで検索しても出ないし、もうスペインに行くことも無いだろうから、二度と見ることは無いのか、そう思うと尚更もう一度見たくなるのだが、
いや、案外イメージの中にしまっておく方が良いのかも知れない。

〇私とピカソ.jpg

PS:写真はピカソの生誕地であるマラガの隣町にあたるミハスを訪れた時のもので、街の中にはピカソのフィギアが置かれていた、一寸小さいけど、ま、記念写真などと。

Profile

☆畑川 治 1947年生まれ
レースアドバイザー
趣味: 運転、旅行、鉄道、その他

このブログ記事について

このページは、Osamu Hatagawaが2017年6月22日 21:33に書いたブログ記事です。

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