Essay/Column/Diary

ヴェゼル 2,500キロを走って

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6月末に納車された新しいヴェゼルだが、早くも2,500kmを走った。
まだまだ使いこなしていない部分も多いが、まずは普通に乗るところは概ね感じ取れたので、ここに紹介してみたい。
いきなり結論からになるが”予想したよりもずっと素晴らしいクルマ”であった。

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前代のヴェゼルが同セグメントのSUVで最も売れ続けたクルマであったが、その後継車として、強く意識して開発されたと思えるもので、あらゆる部分がよく考えられ、非常に良く作り込まれている印象を受けた。
最近のホンダ車は、従来の言わば”走りに特化した”印象のものではなく、クルマ本来のあるべき姿を追求しているように感じるが、このヴェゼルでは、まさにその中身の良さを感じさせてくれるものであった。

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◆乗り心地:とても良い乗り心地である
どうなっているのだろう、これまでサスペンションのクッション系を評価する要素はスプリングとダンパー、特にダンパーの良し悪しがポイントだったが、どうも何か別のものが入っている。舗装の継ぎ目や段差を越える時、”クシュ・クシュ”としたダンパーの働き以前に、上手く表現出来ないが”グニュッ”とした何かが間にあるような感じで、そのおかげで、ドンッと突き上げるショックが抑えられた不思議な乗り心地を感じる。
おそらく、ラバーブッシュ等による何らかでショックの吸収力を上げたのだろう、これまでに無い、とても良い乗り心地を作り出している。
無論、本来のダンパーの効きは良い感じで、速度を上げたコーナリングではロール剛性も高く、シッカリした足回りで安心した動きを見せる。

◆動力性能:素晴らしいほど気持ち良く走る
通常はモーターを主体に走るので静かで実にスムーズな走りである。そして少しアクセルを踏み込むとエンジン音がして強い加速が得られる。このモーターとエンジンとの繋がりが絶妙で、パワーフローメーターを見ていると、モーターとエンジンの動力が絶妙にコントロールされている様が見える。(プリウス同様)
そして、強い加速が欲しい時には瞬発的に高加速が得られる。その時にはエンジン音がよく聞こえる(設定なのだろう)が、それまでがモーターで静かな走りだったので少し違和感を覚えるほどだ。
それはともかく、基本的には申し分のない動力性能である。燃費は市街地も高速道路も大体リッター当たり20kmをオーバーする。
因みに、SPORTSモードに入れてみると、これは強烈 !! メチャクチャ良く走る! SUVとは思えない。スロットルレスポンスはゼロで瞬発的に高加速に入るし、とにかくエンジンをブンブン回して走り回る印象だ。
こんなに凄いSPORTSモードが備わっているのは良いことだが、まず、私は使うことは無いだろう。

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◆運転支援システム:高速道路ではヴェゼルが9割を運転した
これはヴェゼルに限らないことだろうが、最近の車の運転支援システムは大変有効である。今回のヴェゼルでは、その動作が、より自然な感じになっている。
高速道路ではハンドルに手を添えているだけで、殆どヴェゼルが運転してくれた。
また、片側1車線の走行では、概ね車線の中央部を走るので安心だし、特に片側1車線のトンネル(時には暗いところもある)では、ヴェゼルは車線中央を自動的に走ってくれるので、とても安心だった。
ある時、豪雨の中の高速道路を走った。それこそ雨で視界が失われる程だったが、オートクルーズにし車間距離設定を最大にして走ると、殆ど水幕で見えにくい前車との間隔や車速の変化も捉えて走るし、目の前しか見えない車線ラインでも、しっかりと車線中央あたりを走るので有難い。無論、万一の前方での事故の発生や、左右の他車への注意は必要なので、常に注意を払っておく必要はある。
あるいは、カーブの曲率が小さかったり、左右に連続したカーブなどでは、たまに車線が維持出来ず「車線逸脱注意!」の表示が出たりするが、「おい、君が運転してるんだろ!」などと文句を言いつつ、ハンドルで補正してやる必要はある。
どうも運転支援システムとは、高速道路に於いては、ドライバーの支援と言うよりは、ヴェゼルの運転をドライバーが支援してやることなのか・・・と。
それにしても、安全運転上、同システムは大変有効であり、自動運転化が進んで行く現状が理解出来た。
また、同システムの問題点は後述する。

◆ブレーキ:驚くほど素晴らしい感覚の良く効くブレーキである
本当は一番先に書きたいほどだが、このブレーキは、これまで乗った車の中でも最も素晴らしいと言えるもので、絶品である。
従来のホンダ車は、よく効くことを優先にしていたようで、車種によってはカックン・ブレーキになっていたが、このヴェゼルはその全く逆で、素晴らしくスムーズな立ち上がりと踏力に応じて、それ以上に効きが増していく非線形な感じ、の効き方である。そして強いブレーキング時も安定感がある。
これらは、従来の油圧ブレーキでは感じ得ない、回生ブレーキとの組み合わせと、双方のコントロールが作り出すフィーリングだろうと思う。
今や死後とも言えようが「真綿で首を絞める」という感覚のブレーキ、と言っても逆に解かりづらいか・・・

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◆ステアリング:自然な感覚の運転しやすいステアリング系
ステアリングハンドルの太さや断面形状(過去には手の平が痛くなるものもあったが)が良く、革の表面仕上げも良いので気持ち良い。
ステアリング系の重さも少し重めの設定ではあるが適切で、言わばシットリ感のある、しかし遊びの無いフィールはとても良い。

◆インテリア類:エアコンの操作類は旧式とも言えるツマミ方式で、これが扱いやすい
近年は電気式のタッチ方式の多い中、ブツブツのローレット加工(に似た手触りの良いブツブツ)を施したツマミをカチリ・カチリと回すのが確実で扱いやすい。
両サイドの吹き出し口は「そよ風モード」に切り替えられるのが売りで、確かに外側は直接風が当たらず良い感じだが、外を閉めた分、内側吹き出し口の風は強くなる・・・のだよ。
一方でUSBポートは、前後に各2ヶ所の4ヶ所を備えるし、センターコンソールではスマホを置くだけで充電するようになっている。早速、私も置いてみたが、私のスマホは残念ながら反応しなかった。

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◆スペースユーティリティと品質感:明るく上級感のある室内
以前のヴェゼルも車内の品質感があったが、今度のヴェゼルは明るく広い印象の室内となり、以前以上に品質感というか上級感がある。
後席の広さは格別で、足元が広いので足が組めるほどだ。一方、ラッゲージルーム(トランク)の前後距離はその分若干短くなったようだが、イザとなればシートバックを倒せば巨大でフラットなスペースが出来る。
それに、テールゲートは電動となり、開けるのも楽だが、離れると閉まる機構もあり、これはとても便利だ。

◆エクステリア・デザイン:
大口・悪党デザインの多い中、車体同色グリルは立派
最後に、やっとデザインになるが、近年、押し出しの強さを競うあまり、大口を開けた言わば悪党デザインが増え続けており、私はあのようなデザインの車には乗りたく無かった。
そんな中、大口デザインへのアンチテーゼのように(あるいはEVカー時代のデザインを先取りしたように)、よくぞ口を閉じたようなデザインを採用されたと思う。
最初に見た瞬間はグリルが無いので違和感があったが、すぐに慣れるし、見慣れると、実はとても良いデザインである。
全体のフォルムは、ウエッジシェイプの初代ヴェゼルからは大きく変わり、ハリアーやCX5などに近い箱型になったが、水平基調の落ち着いたフォルムは初代ヴェゼルと比較してみると、やはり一歩進んだデザインである。

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いざ、手元に来た私のヴェゼルで出掛けて、サービスエリアやショッピングモール等に駐車すると、とても存在感があるデザインであることが明確になる。
ボンネットが高く、それに続く高いウエストラインに窓とのバランスで、ワンクラス上の車にも見えてしまう。
車体色も私の車のプレミアムサンホワイト・パール&ブラックという長い名前のカラーリングも良かったようで、おとなしい色の割に目立っている。また、PLaYにのみ設定されたツートーンカラーも車体を引き締めているようで気に入っている。

■良くないところ:
殆ど悪い所が無いようなヴェゼルではあるが、あえて問題点を挙げてみたい。
・これは好みの問題ではあるが、加速時のエンジン音が大きい。せっかくモーターによる静かな運転から少し加速をすると、旧来のレシプロ4気筒の音が入ってくるのは好めない。
・素晴らしい乗り心地のサスペンションではあるが、カーブの多い一般道を長い間走ると、クッションのグニャ感がある為か、少し車酔いをした。
・リアのドアの閉まる音が少し軽くチープである。Fitよりは随分良くはなっているが、また、軽いドアだけにやむを得ないのだろうが。
・雨滴センサーはプレイにも欲しかった。
※ホンダセンシングについて
 レーンキープは50キロ以下では解除されるが、突然レーンキープがキャンセルされるので、意識していないと場所によっては危なっかしい。他メーカーでは0キロまで維持する車もあるようで、同様に0キロまで、せめて30キロまでは維持してほしい。
 また、車線維持は路面が左右に傾いていると低い方に取られて行くので注意が必要だ。

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 そして、写真のように片側1車線の中央寄りに大きな破線(点々)のある場所では、破線は感知せず、しかも何故か車線の右寄りギリギリにまで行くので、たえずハンドルを左に押さねばならなかった。
但しこれは、ごく稀なケースであり、殆どはヴェゼルに運転をしてもらうのが確実、安全であった。


さて、2,500キロと距離が良く伸びたのは近隣の市街地の走行だけでなく、私の住む鈴鹿から、名古屋、京都、大阪、岡山、島根といったように遠乗りに出掛けたことによるからだが、それぞれ、とても快適なドライブだった。
こうして、ヴェゼルはとても快適に乗れるクルマであり、そして販売も大変好調だと聞く。
私はホンダの宣伝マンでも何でも無いが、ホンダは素晴らしいクルマを作ったと思う。
この中身の良さは多くの人に伝わって行くことだろうし、今後も好調な販売が続くのでは、と思えた。

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Profile

☆畑川 治 1947年生まれ
レースアドバイザー
趣味: 運転、旅行、鉄道、その他

このブログ記事について

このページは、Osamu Hatagawaが2021年9月 6日 21:09に書いたブログ記事です。

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